ユーロドルで約100ポイント上にジャンプアップ
ギリシャ問題に対する警戒感が高まったことを受け、4月8日にはユーロドルでは1.32 台へユーロが下落した。
しかし、9日にはユーロ圏諸国が同日の財務省・中央銀行次官級会合でギリシャに緊急支援を行う場合の条件について合意し、その週末にはEUの財務相らがギリシャに対し、300億ユーロの緊急救済の枠組みを決めるなど、救済案が明確化したことをうけユーロの買戻しが加速、先週の月曜日はユーロドルで約100ポイント上にジャンプアップした1.3600付近からのスタートとなった。
週初は調整のドル買戻しなどが散見されるものの市場は様子見となっていたが、14日にバーナンキFRB議長が、上下両院合同経済委員会での議会証言で経済に関し慎重な見方を示し、低金利を長期間維持するとあらためて表明したことでドルが買い戻され、さらに15日には欧州各国政府がギリシャ支援発動に向けまず法案を可決しなくてはならないという話題が広まるにつれ、再びリスク懸念が大きく浮かび上がり、ユーロが対ドルで大きく売り込まれることになど、上下に振幅をみせることとなった。
結果的に、ギリシャの債務問題がクローズアップされ、大幅な下落を見せた3月18日以前のレベルとほぼ同じレベルで相場は推移することとなった。
ドル円では、4月2日につけた94円70銭付近の高値からの下落トレンドの流れを引き継いでいる。背景には、米国の金融政策と中国の元の切り上げ観測がある。
注目の集まったバーナンキFRB議長の議会証言は前述の通りだが、12日のオバマ米大統領と胡錦濤中国国家主席との会談では元の切上げ問題について言及されず一旦先送りとなった。
しかし、14日のアジアタイムではシンガポールドルの対ドルでの事実上の切り上げが行われ、米ドルが対シンガポールドルで売り込まれことで、中国元の切上げ観測が市場にくすぶり、米ドルが対円でも上値の重い展開となる一要因となった。
さらに金曜日には、米証券取引委員会が、サブプライムローンに絡むCDO(債務担保証券)の組成と販売に関して投資家に「重要情報」を開示しなかったとしてゴールドマン・サックスを訴追したことで、米ドルの売りが加速、ストップロスを巻き込んで一時91円台の下値をつけることとなっている。
相場展望を考える
ドル円では、金曜日に米証券取引委員会(SEC)がゴールドマン・サックスを訴追したことをうけドルが売り込まれ、強力な下値抵抗線となっていた92円50銭付近を割り込んだ。92円50銭付近は3月24日の高値圏手前のレベルであるが、ここを一旦割り込んだことで、91円付近への下値トライへの道が開かれたと思われる。東京時間は上海株式市場など中国関連の動きが大きな要因になりそうだが、いずれにしても円高方向への圧力がやや強まっているといえそうだ。米国の主要な経済指標は週後半に集中しているが、新しい要因がない限り、上値方向への動きには限定的になってくるのではないだろうか。
ユーロは、ギリシャ問題を背景に引き続き軟調気配となるであろう。
IMF、EU、ECBが、ギリシャへの支援策に関して協議する予定であるが、その中心となるドイツでは支援策の議会通過が困難視されており、市場はこの方面のニュースに対し神経質に反応することになるであろう。
ニュースの内容次第では、ユーロのショートカバーが一気に進むことも考えられ、相場の動きは予断を許さない。
なお、今週は火曜にZEW景気期待指数(4月)、金曜にIFO業況指数(4 月)という2つの重要なドイツ国内指標が発表される。
あわせて注意したい。
オーストラリアでは、20日にRBAの4月定例理事会議事録が公表される。0.25%の追加利上げを行った理事会の議事録だけに、今後の利上げの可能性を探るうえでもその内容が注目される。
ただ、豪ドルでは、対ドル、対円とも相場は底堅く、あくまで市場はさらなる上値を探るための材料を探すことになるであろう。